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#twnovel@SIREN

良崎(@kanfrog)のツイッター小説などまとめブログです。

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No.115

女子高生型精密機械が無表情に困惑している。「熱への感度を上げられまして」「何それ」「今日は昨日と比較して体感温度が低いのです」「寒いってこと?」頷く彼女は、屈託なく尋ねた。「こんな時、人間の男女ならどうするのでしょうか」さて、僕は君に何を教えましょうか。

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No.109

美少女型精密機械が僕にチョコを手渡す。バレンタインの趣旨を理解してなさそうな無表情だ。「レシピ通りではないのですが」「上手くいかなかったの?」「愛情の入れ方が分からなくて」ほんの微か、薔薇色に色付く彼女の頬。「どのように入れるのか、ご存じですか」「今、貰ったよ」

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No.107

美少女のなりをした人型機械は人生勉強中。カラオケの採点結果を眺めていた彼女が呟く。「こぶしとはどういうものですか」「音が震えてさあ」「ビブラートとは違うのですか」困った僕は彼女にCDを貸した。「こぶしとは素晴らしいものですね」彼女の趣味は演歌観賞になった。

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No.98

「人間はお正月は何をするのですか」クラスメイトの人型機械が訊く。「父さんの実家かな」「普通は、家族といるのですね」いつもの無機質な声だが、冬空のような銀の瞳がふと曇る。彼女が帰るのは冷たい研究室だ。「一緒に初詣行こ。俺こっち残るよ」しかし、と言いつつ晴れ渡る空。

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No.72 ツイノベデー「ボーダー(境界)」

「悩みごと?」「機械と人の違いを考えていました」思い詰めた表情で彼女は俯く。つまり彼女と僕との差というわけだ。「ご飯を食べるか食べないか」「そんなものですか」「他に何か違うかな?」「いえ、違いません」僕の言葉にほころぶその顔。ますます境界がわからなくなるのだ。

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No.67 猫の日

「猫耳?」「新型の集音機です」クラスメイトの人型機械は平然と言い切った。彼女にとっては新パーツのテスト。だが、不純な僕はにやけてしまう。「変ですか」「いや、似合うなって」彼女は一瞬の後、おもむろに呟いた。「……にゃあ」普段通りの無表情に、僅かに赤みが差していた。

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No.42

除夜の鐘を聞きながら彼女は言う。「通常、この時刻はスリープ中です。今夜は特別に起動しています」「大丈夫?」「……ボディが熱くて。あなたといるといつもそうなります。故障でしょうか」夜闇に浮かぶ機械仕掛けの瞳が、なぜか潤んで見える。「故障じゃないよ。僕も胸が熱いよ」

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No.19

振り返ると、彼女は無表情で並木を見上げていた。「人間はなぜ、すぐに散るものを好むのですか」「何でだろうね。僕も確かに好きだけど」「私も理解できませんが――理解したいのです。近づきたいヒトがいるのです」限りなく人に近い外見の機械は、桜吹雪の中で微かに笑った。

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No.9

「テスさん、日付が変わりました」「今年もよろしくね、ファー」「たった数秒が経過しただけだというのに、なんだか変です」「そうかな?」「……でも、嫌いではありません」

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No.5

隣のファーが「大吉です」と呟いた。次いで、くじを愛おしそうにポケットにしまい込む。「ロボットもおみくじ信じるの?」「ええ。実際は、大吉を引く確率など、瞬時に割り出すことができます。でも、今日だけは忘れます」「いい一年になるといいね」彼女は、テスさんも、と笑った。

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