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#twnovel@SIREN

良崎(@kanfrog)のツイッター小説などまとめブログです。

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No.41

社の屋根から人の群れが見える。毎年毎年神頼みとは欲深い奴らめ。俺など、たった一つ手に入れたいものですらままならないのに。雪よりも白い顔を思い浮かべ、慌てて打ち消す。仕方ない、人間どもの願いでも聞きに行ってやるか。俺は遠吠えを残し、屋根を、鳥居を蹴って飛び降りる。

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No.31

「何百年も前に忘れたわい」誕生日は、と尋ねると彼女はふっと息を吐いた。それだけ長い間、祝う人も無く独りでいたのだろう。「じゃあ今日にしましょう。僕と出会った、新しいあなたの誕生日」「この儂が零歳? お主は面白いな」生まれたての彼女は生まれたての笑みを浮かべる。

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No.21

例年、他よりもひと月は早く咲く桜。それが妖の仕業と知っているのは僕だけだ。『お兄ちゃん、桜、嬉しい?』声が聞こえたような気がして見上げるが、ただ綻んだ花があるばかり。人が好きで、例え自分が忘れ去られても人の側にいたいと願ったあの子。どこかで笑っているだろうか。

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No.10

「僕、今晩はここにいようかと思うんですけど」「しかし、いいのか?」「ヨシ兄からは許可貰ったので大丈夫ですよ」「……そうか(ふふ、嬉しいのう)」「何か言いましたか?(あ、喜んでる)」「い、いや、何も(しまった)」「それならいいんですけど(聞こえてたけどね)」

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No.3

大晦日、澪は山の頂から夜の村を見下ろした。降り積もる雪に塗り潰される中、明かりが灯る窓がいくつか。あの光のどれかに聖がいる。「明日も来ます」彼はそう言い残していった。山の神となって久しいが、こんなにも待ち遠しい正月は初めてだ。澪はねぐらに丸くなり、ただ朝を待つ。

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