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#twnovel@SIREN

良崎(@kanfrog)のツイッター小説などまとめブログです。

No.79 隠し味

牛肉とじゃが芋、玉ねぎにだし汁を3カップ。酒、醤油、みりん、砂糖が同量なのも彼女らしい。しかし何故かいつもの味にはならない。何が足りないのか尋ねても空の上の彼女は微笑むだけ。「あたしこの肉じゃが好き」俺の隣で忘れ形見が笑う。「ママがいたら絶対美味しいって言うよ」

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No.76 ツイノベ記念日

誕生日? 違いますよ。何故ケーキかって? 今日はあなたが私に初めて物語を贈ってくれた日だから。たかが140字だとあなたは笑うけど、そこまでに随分と言の葉を散らしているのでしょう? だからお祝いくらいさせてくださいな。ツイノベ記念日なんだから。

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No.75 ツイノベデー「冷やしツイノベ始めました~氷」

氷砂糖をつまみ上げ、口に含む。失恋や別離、裏切られたり裏切ったり。舌の上で甘さとともに溶け出すのはほろ苦い記憶だ。ノックの音で我に返ると、泣き腫らした目の女性。「辛い過去を凍らせてくれるって――」今度はどんな思い出か、これが私の愉しみ。

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No.74 ツイノベデー「冷やしツイノベ始めました~風」

ふわりと頬をなでられて目をさます。瞳をうっすら開ければやさしいあなたの微笑みが待っていた。わたしが笑い返すとあなたの姿はかき消えた。ひとりぼっちのわたしはそっと身を起こす。わかっていたのに、風のいたずらだと。わかっていたのに、あなたはもういないのだと。

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No.71

「お花見でわたあめ買ってね」昔はそんな可愛いことを言っていた彼女も大学生。引き取って十数年、これで亡き友人夫婦に胸を張れる。「良かったな、『サクラサク』で」「私、蕾のままでいい。離れたくないよ」俺も――とは言えず、ただそっと頭を撫でる。その髪に桜の花びらが一枚。

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No.70 ツイノベデー「今」

「待っただろ?」「ううん、今着いたところ」そんな些細な嘘を何度吐いただろう。彼はそんなことにも気付かず今日も遅刻。一時間も待ったよと怒れていたなら、私たちはもっと続いていたかもしれない。でも、それも今日で終わり。「待たせただろ?」「もうあなたを待つことはないわ」

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No.69 ツイノベデー「帚星」

側には寄れない、手が届かないと知って帚星は悲しんだ。遙か遠くに光っていた頃から気になっていたんだ、青くうつくしい星のことが。でも、もう行かなくちゃ。そして二度とここには帰れない。振り向くことも許されず、帚星は駆け抜ける。尾だけが名残を惜しむように長く伸びてゆく。

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No.68 ツイノベデー「帚星」

「あれは泣きながら空を駆け巡ってるんだ」「どうしてそう思うの」「僕にもそんな夜があったから」彼の隣で見上げれば、空を裂く帚星。私は思わず彼のシャツの裾を引っ張る。「何だよ」「地上に引き留めたくて」「心配性め」尾を掴んでいた私の手は、いつの間にか握り返されていた。

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No.66 ツイノベデー お題「夫婦」

家に帰ると焦げた臭い。キッチンからは泣きそうな声で「ごめん」と一言。それでも作ってくれた気持ちが愛しくて、私はお菓子になり損ねたものを口に放り込んだ。「美味しいわよ?」「嘘だ」「世界一美味しい」「……ありがとう」旦那はエプロン姿のまま泣き笑い。

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No.65 ドラクエ3生誕25周年記念

この世界で伴侶を得て子もできた。穏やかな日々の一方で、男は志半ばで斃れた父を思う。最期に遺した言葉は「平和な世界にできなかった父を許せ」。妻子の寝顔を瞼に焼き付け、男は立ち上がった。ディスプレイの中へ戻るために――四半世紀前に逃げ出した自らの世界を救うために。

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