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#twnovel@SIREN

良崎(@kanfrog)のツイッター小説などまとめブログです。

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No.50

他人の心の色を見ながら、僕は通学中。休み明けの会社員は重い黒緑。コンビニバイトのお姉さんは元気な蒲公英色。「おはよう」と声を交わした彼女は恋する珊瑚色。相手は幸せだよな、と憂鬱な僕は深縹。「実はあたし、ずっとあなたのことが――」思わぬ告白に僕の心も一気に珊瑚色。

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No.49

「またスマホ?」「俺がこうしてスマホに魔王を閉じこめてるから平和なんだ」ゲームと現実の境目が分からなくなったのか。私はかっとなって、彼の手からスマホを取り上げて床に投げつけた。「封印は解かれた!」壊れたスマホからは黒い霧があふれ、たちまち世界を闇で覆い尽くした。

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No.48

飾られた商品棚の前で立ち止まった彼女。上目遣いで俺を見ている。「欲しい?」「たかいでしょう?」「気にするなよ」五歳児らしからぬ気遣いに微笑みながら、俺は1パック980円のいちごを買い物かごに入れた。「ありがと」「どういたしまして」「れんにゅうもね」「はいはい」

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No.43

ボクの煩悩。キミと話したい。キミの名前を呼びたい。キミの横顔を独占したい。キミと手を繋ぎたい。キミの隣を歩きたい。キミと喋ってる男は消えればいいのに。キミがボクだけを見てくれたらいい。隣でボクを見つめるキミの瞳は何故か濁っている。きらきらの表情をもう一度見せて。

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No.39

世界が滅ぶ日、学校をさぼった僕の行く手を少女が阻む。「しょっぱい顔ね」「誰なの、君」「滅びを食い止めてきた勇者よ」彼女は仁王立ちで言った。「救いがいがないわ。あたしが救いたいって思う男になって」「余計なお世話だ」「元気じゃない」その微笑みは新しい世界の始まり

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No.36

テストの時間が終わったのに答案は白紙。憧れの先生に怒られたところで、俺は夢から醒めた。なんだ夢かとほっとしたのも束の間、先生の「残り一分」の声。答案を見るとやはり白紙だ。正夢にはしたくないと最後の十秒で書いたのは『先生、ずっと好きでした』。さて、どうなるか――。

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No.35

「あなたの望むものを見せてあげよう。ただし、幻でもいいなら」私は創り出した。思い出の我が家、逝ってしまった家族、空の彼方の星までも。しかし、私は自分のためには創れない。あらゆるものを皆に見せても私の望む幻は現れない。失った恋人に逢えるまで、私は虚構を描き続ける。

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No.34

眩しい光にうっすら目を開けると幸せそうな寝顔の彼が――なんてことは当然なかった。夢を噛み締めながら家を出ると、なぜか彼の姿。「おはよ」「……どうしたの?」「たまには一緒にと思ってさ」と照れ笑いする。おかげですっかり目が覚めたはず――なのに、夢か現かふわふわの朝。

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No.33

私は影になっていた。自分の居場所がない世界に絶望して下を向いているうち、いつの間にか地面に吸われたのだ。いま私のふりをしているのは、もと私の影だったもの。私は『私』が絶望する瞬間を注意深く窺う。昔、私がそうやって居場所を奪い取ったように。

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No.30

夕日のやわらかな赤、向日葵の弾む黄、そよぐ木々の緑、凪いだ海の青、微笑む月の白。僕は色を借りてひとつの玉に詰め込む。打ち上げられた花火は夜空できらめくたびに色を返していく。朝がくればいつもの景色が広がっているのだ。まるで何事もなかったように。

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