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#twnovel@SIREN

良崎(@kanfrog)のツイッター小説などまとめブログです。

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No.28

自分の中に流れる半分ずつの血を呪っても、父と母が出会わなければと考えても虚しかった。「人でもあやかしでもないんだ」思いあまってそう告白したら、君は「いいとこどりだね」と目を輝かせた。僕の世界はたちまち色付き、君の周りからどこまでも拡がる。二倍の幸せを伴いながら。

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No.27

「こりゃあ別嬪さんだ」ええ、そうでしょうとも。「とても狐にゃ見えねえ」これであなたに釣り合いますか? 「ただし、前だけだ」ああ、尻尾! 尻尾が! 「そう落ち込むな」これが落ち込まずにいられましょうか。「妖だって獣だって、俺は構わねえよ」はためく尻尾に彼は笑う。

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No.26

空から恋石が落ちてきた。それは私の心のいちばん柔らかいところを撃ち抜いた。嵐のような恋は無残に破れ、恋石も砕け散ってしまった。泣きながらかけらを集めていたら、一緒に拾ってくれる人が現れた。彼と二人で揃えたかけらは再び恋石となり、私の胸の奥で穏やかに光を放つ。

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No.25

シフト交代の時間だ。黒いマントの同僚と入れ代わり、僕は白い翼をはためかせて夜明けの空に飛び出した。まだ眠っている街を見下ろせば、片隅で泣いている女の子。今日はあの子が涙を忘れるくらい、とびきり鮮やかな青にしよう。ペンキの缶と刷毛を手に、僕は空を塗り替える。

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No.24

「桜が咲くなんて毎年のことだ。お前はそれをわざわざ見物しに行くのか」「うん」「私と?」「うん」途端に彼女の頬が赤くなった。渋々、といった口調で呟く。「仕方ない、付き合ってやる」「ありがとう」おれにとってはこのやりとりも毎年のこと。とても愛おしい恒例行事なのだ。

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No.23

「遠い星にはお花見なんて風習があるんですって」こちらを睨む彼女の背後には星空と赤い大地。耕し続けて数年、草花が芽を出し始めたのはつい最近だ。不機嫌にもなるだろう、けれど。「笑って」膨れた頬をつつくと、彼女はぷっと吹き出した。「僕は今、花よりいいものを見ましたよ」

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No.22

「咲いたぞ」先生がそれだけを告げ、私もそれだけで悟る。そっと開けられた分厚いカーテンの向こうには、鮮やかなピンク色。オオヤマザクラ、と彼は言った。「春が来たな」「耐えた甲斐がありました」「俺達も、あと少し耐えるか」私が卒業するまではあと一年。次の春が待ち遠しい。

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No.21

例年、他よりもひと月は早く咲く桜。それが妖の仕業と知っているのは僕だけだ。『お兄ちゃん、桜、嬉しい?』声が聞こえたような気がして見上げるが、ただ綻んだ花があるばかり。人が好きで、例え自分が忘れ去られても人の側にいたいと願ったあの子。どこかで笑っているだろうか。

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No.20

「桜は、空から見下ろすときれいだよ」君もどう、と彼はにやりと笑った。それは彼の特異体質――と言っていいのか――がなせる技で、私には無理だ。「あなたは空を飛べるからいいけど。私は歩いて見るよ」「じゃあ百歩譲って。下から見上げに行こう、一緒にね」彼は再びにやり。

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No.19

振り返ると、彼女は無表情で並木を見上げていた。「人間はなぜ、すぐに散るものを好むのですか」「何でだろうね。僕も確かに好きだけど」「私も理解できませんが――理解したいのです。近づきたいヒトがいるのです」限りなく人に近い外見の機械は、桜吹雪の中で微かに笑った。

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