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#twnovel@SIREN

良崎(@kanfrog)のツイッター小説などまとめブログです。

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No.38

「理科室の人体模型はいいやつだし、音楽室のピアノはリクエストに応えてくれるし、トイレの花子さんは可愛いし、踊り場の鏡の中は面白いし、日替わりの階段の数を当てるのは楽しいし、体育館の幽霊はバスケ教えてくれるし。何が不思議なんだか」「七不思議の七つ目はお前だよ」

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No.37

ため息は山を焦がし、身体を丸めれば地が揺れる。誰も傷つけたくなくて山奥に逃げてきたのに、竜は泣いていた。 勇者は泣いていた。強すぎる彼を皆は化け物と呼び、勇者は人から逃げるように山奥へと分け入った。 一頭と一人はそっと寄り添う。涙はもうない。

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No.36

テストの時間が終わったのに答案は白紙。憧れの先生に怒られたところで、俺は夢から醒めた。なんだ夢かとほっとしたのも束の間、先生の「残り一分」の声。答案を見るとやはり白紙だ。正夢にはしたくないと最後の十秒で書いたのは『先生、ずっと好きでした』。さて、どうなるか――。

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No.35

「あなたの望むものを見せてあげよう。ただし、幻でもいいなら」私は創り出した。思い出の我が家、逝ってしまった家族、空の彼方の星までも。しかし、私は自分のためには創れない。あらゆるものを皆に見せても私の望む幻は現れない。失った恋人に逢えるまで、私は虚構を描き続ける。

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No.34

眩しい光にうっすら目を開けると幸せそうな寝顔の彼が――なんてことは当然なかった。夢を噛み締めながら家を出ると、なぜか彼の姿。「おはよ」「……どうしたの?」「たまには一緒にと思ってさ」と照れ笑いする。おかげですっかり目が覚めたはず――なのに、夢か現かふわふわの朝。

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No.33

私は影になっていた。自分の居場所がない世界に絶望して下を向いているうち、いつの間にか地面に吸われたのだ。いま私のふりをしているのは、もと私の影だったもの。私は『私』が絶望する瞬間を注意深く窺う。昔、私がそうやって居場所を奪い取ったように。

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No.32

「恐い話をしよう」先生はなぜか口元を隠しながら言った。銀縁眼鏡の乗った顔は涼しげ。腕まくりの白衣だけが夏らしい。「怪談ですか?」「恐いと言っただろう」「先生が非科学的なことを真面目に話すのって、珍しいですね」「夏休みは残りあと――」「やめて下さい! 恐いです!」

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No.31

「何百年も前に忘れたわい」誕生日は、と尋ねると彼女はふっと息を吐いた。それだけ長い間、祝う人も無く独りでいたのだろう。「じゃあ今日にしましょう。僕と出会った、新しいあなたの誕生日」「この儂が零歳? お主は面白いな」生まれたての彼女は生まれたての笑みを浮かべる。

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No.30

夕日のやわらかな赤、向日葵の弾む黄、そよぐ木々の緑、凪いだ海の青、微笑む月の白。僕は色を借りてひとつの玉に詰め込む。打ち上げられた花火は夜空できらめくたびに色を返していく。朝がくればいつもの景色が広がっているのだ。まるで何事もなかったように。

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No.29

「柳の花言葉は『愛の悲しみ』『素直』だそうです、先生」彼女は無邪気に言った。「誰かを好きになるのって、幸せではないんでしょうか」曇りのない眼差し。彼女を想えば、悲しみなど溶けてなくなる。「今の俺は悲しくはない――いや、幸せ、だな」「……素直すぎるのはずるいです」

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