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#twnovel@SIREN

良崎(@kanfrog)のツイッター小説などまとめブログです。

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No.48

飾られた商品棚の前で立ち止まった彼女。上目遣いで俺を見ている。「欲しい?」「たかいでしょう?」「気にするなよ」五歳児らしからぬ気遣いに微笑みながら、俺は1パック980円のいちごを買い物かごに入れた。「ありがと」「どういたしまして」「れんにゅうもね」「はいはい」

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No.47

「今年の目標はお主と共に過ごすことじゃ」「随分はっきりと」「心が読めるお主に隠しても無駄よ。山の神らしからぬと笑わば笑え(言わねば良かった、恥ずかしい)」「嬉しい」「ふん(笑われなかったぞ)」「可愛いですね」「!(ど、どうしたらよいのじゃ…)」

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No.46

一月一日、校門前で先生とばったり出逢った。「お仕事ですか」「いや。何となく足が向いてしまってな」先生に会えるかもと思って、とは言えず「私も何となく」と答える。先生は沈黙ののち屈託なく言った。「私は初詣に行くが、何となく一緒にどうだ」「喜んで!」

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No.45

「アヤちゃんはおとな?」甥っ子の質問は意図が丸見えだ。「高校生だからこども」「じゃ、リクからおとしだま」満面の笑みで渡されたのは『およめさんけん』。「リクとけっこんできるよ!」自慢げな頭を撫でつつ、切なくなる私。忘れぬよう大事にお年玉をしまう。

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No.44

「誰かと年を越すなんて久しぶり」「それは寂しかったでしょう」彼女は首を横に振った。「何も感じなかったもの」悲しみが深すぎて心が麻痺していたのか。私がいます、とそっと彼女の手を握る。「人の手って温かい。忘れてたわ」「思い出していけばいいんですよ」

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No.43

ボクの煩悩。キミと話したい。キミの名前を呼びたい。キミの横顔を独占したい。キミと手を繋ぎたい。キミの隣を歩きたい。キミと喋ってる男は消えればいいのに。キミがボクだけを見てくれたらいい。隣でボクを見つめるキミの瞳は何故か濁っている。きらきらの表情をもう一度見せて。

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No.42

除夜の鐘を聞きながら彼女は言う。「通常、この時刻はスリープ中です。今夜は特別に起動しています」「大丈夫?」「……ボディが熱くて。あなたといるといつもそうなります。故障でしょうか」夜闇に浮かぶ機械仕掛けの瞳が、なぜか潤んで見える。「故障じゃないよ。僕も胸が熱いよ」

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No.41

社の屋根から人の群れが見える。毎年毎年神頼みとは欲深い奴らめ。俺など、たった一つ手に入れたいものですらままならないのに。雪よりも白い顔を思い浮かべ、慌てて打ち消す。仕方ない、人間どもの願いでも聞きに行ってやるか。俺は遠吠えを残し、屋根を、鳥居を蹴って飛び降りる。

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No.40

ホワイトクリスマス、やさぐれていた俺の頬を吹雪が打つ。「そんなに絶望してるなら凍らせてあげる」突然現れた女の子は、そう言って息を吐いた。辺りが凍りつく。「まだ死ねない。君みたいな可愛い子と一緒になれたら思い残すことはないね」「わかったわ」それが嫁との馴れ初め。

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No.39

世界が滅ぶ日、学校をさぼった僕の行く手を少女が阻む。「しょっぱい顔ね」「誰なの、君」「滅びを食い止めてきた勇者よ」彼女は仁王立ちで言った。「救いがいがないわ。あたしが救いたいって思う男になって」「余計なお世話だ」「元気じゃない」その微笑みは新しい世界の始まり

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