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#twnovel@SIREN

良崎(@kanfrog)のツイッター小説などまとめブログです。

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No.76 ツイノベ記念日

誕生日? 違いますよ。何故ケーキかって? 今日はあなたが私に初めて物語を贈ってくれた日だから。たかが140字だとあなたは笑うけど、そこまでに随分と言の葉を散らしているのでしょう? だからお祝いくらいさせてくださいな。ツイノベ記念日なんだから。

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No.75 ツイノベデー「冷やしツイノベ始めました~氷」

氷砂糖をつまみ上げ、口に含む。失恋や別離、裏切られたり裏切ったり。舌の上で甘さとともに溶け出すのはほろ苦い記憶だ。ノックの音で我に返ると、泣き腫らした目の女性。「辛い過去を凍らせてくれるって――」今度はどんな思い出か、これが私の愉しみ。

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No.74 ツイノベデー「冷やしツイノベ始めました~風」

ふわりと頬をなでられて目をさます。瞳をうっすら開ければやさしいあなたの微笑みが待っていた。わたしが笑い返すとあなたの姿はかき消えた。ひとりぼっちのわたしはそっと身を起こす。わかっていたのに、風のいたずらだと。わかっていたのに、あなたはもういないのだと。

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No.73 ツイノベデー「ぐるぐる」

むせるような濃い煙の中、僕は目を覚ました。彼女は振り返り、「起きたの」と一言。「随分煙たいな。蚊取り線香かい?」「張り切って焚きすぎちゃったみたい」彼女は赤い舌をぺろり。「ほんとだよ。薫製にされるかと思った」「……何故わかった」煙の向こうで瞳と牙がぎらりと光る。

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No.72 ツイノベデー「ボーダー(境界)」

「悩みごと?」「機械と人の違いを考えていました」思い詰めた表情で彼女は俯く。つまり彼女と僕との差というわけだ。「ご飯を食べるか食べないか」「そんなものですか」「他に何か違うかな?」「いえ、違いません」僕の言葉にほころぶその顔。ますます境界がわからなくなるのだ。

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No.71

「お花見でわたあめ買ってね」昔はそんな可愛いことを言っていた彼女も大学生。引き取って十数年、これで亡き友人夫婦に胸を張れる。「良かったな、『サクラサク』で」「私、蕾のままでいい。離れたくないよ」俺も――とは言えず、ただそっと頭を撫でる。その髪に桜の花びらが一枚。

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No.70 ツイノベデー「今」

「待っただろ?」「ううん、今着いたところ」そんな些細な嘘を何度吐いただろう。彼はそんなことにも気付かず今日も遅刻。一時間も待ったよと怒れていたなら、私たちはもっと続いていたかもしれない。でも、それも今日で終わり。「待たせただろ?」「もうあなたを待つことはないわ」

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No.69 ツイノベデー「帚星」

側には寄れない、手が届かないと知って帚星は悲しんだ。遙か遠くに光っていた頃から気になっていたんだ、青くうつくしい星のことが。でも、もう行かなくちゃ。そして二度とここには帰れない。振り向くことも許されず、帚星は駆け抜ける。尾だけが名残を惜しむように長く伸びてゆく。

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No.68 ツイノベデー「帚星」

「あれは泣きながら空を駆け巡ってるんだ」「どうしてそう思うの」「僕にもそんな夜があったから」彼の隣で見上げれば、空を裂く帚星。私は思わず彼のシャツの裾を引っ張る。「何だよ」「地上に引き留めたくて」「心配性め」尾を掴んでいた私の手は、いつの間にか握り返されていた。

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No.67 猫の日

「猫耳?」「新型の集音機です」クラスメイトの人型機械は平然と言い切った。彼女にとっては新パーツのテスト。だが、不純な僕はにやけてしまう。「変ですか」「いや、似合うなって」彼女は一瞬の後、おもむろに呟いた。「……にゃあ」普段通りの無表情に、僅かに赤みが差していた。

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