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#twnovel@SIREN

良崎(@kanfrog)のツイッター小説などまとめブログです。

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No.86 初夢

うなされて目覚めたのに、初夢は覚えていなかった。「旨かったよ」枕元の貘が笑う。「どんな夢?」「聞きたいかい?」「何だよそれ」「後悔するよ」「いいから教えろよ」「実は――」そこで恐ろしさのあまり目が覚めた。「旨かったよ」枕元の貘が笑い、俺は尋ねる。「どんな夢?」

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No.85 初詣

「こっちにいい神社あるよ、お姉さん」振り向くと狐面の青年。胡散臭い耳と尾まで付いている。近頃は神社も客引きをするらしい。「初詣どう?」「急いでるので」「神籤だけでも。大吉にしとくよ」その通り、大吉の籤を手に探しても青年の姿はない。ただ境内に響く『まいどー』の声。

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No.84 少年妖怪サトリ

「今『サトリだ! どうしよう、逃げちゃいたい』って思ったな。否定すんなよ。お前が俺を避けてることくらいお見通しだ。何が『何も知らないくせに!』だよ。……はぁ? お前が俺を好きだなんて全然知らなかったぞ付き合ってくれますかだなんてこちらこそよろしくお願いします!」

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No.83 非日常への扉

「俺ぁ獣だ」彼は苦笑いで言った。上げた口角の端から鋭い歯が覗く。「おめぇに近付きたくて人の成りを真似てさ。浅ましいよなぁ」「知ってたよ」三角の耳がぴんと立つ。「私はあなたが何者だって構わない」かき抱かれて爪が背に食い込む。その痛みが日常には戻れないと告げていた。

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No.82 冬コミ初日

「落ちましたよ」俺の声にその娘は猛ダッシュで戻ってきた。「君が落としたのは少年誌マイナーBL本? 青年誌王道NL本? オリジ百合18禁本?」「……ぶ」「ん?」「全部!」吹き出した俺を、彼女は涙目で睨む。「悪い?」「悪くない」「……ありがと」それが嫁との馴れ初め。

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No.81 大雪の日

牡丹雪の舞う空を見上げる先生に、私は尋ねた。「雪、好きですか?」「好きではない、が。枯れ木に積もるのは花のようでいいな。……俺がこんなことを言うのは、おかしいか」彼は笑顔を出し惜しみするかのように、すぐに真顔に戻る。「いえ。すごく素敵です」私は隣で雪解けを待つ。

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No.80 ツイノベデー「炬燵」

炬燵からにょきにょきと二本の尾。「友達と一緒かい」にゃごにゃごと不機嫌そうにタマが顔を出した。「なに怒ってんだ?」炬燵から抜け出た奴は、二又の尾をわざとらしく振っている。そういや猫又になったんだっけ、と俺は苦笑い。「悪かったよ、猫又様」タマは誇らしげに、にゃん!

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No.79 隠し味

牛肉とじゃが芋、玉ねぎにだし汁を3カップ。酒、醤油、みりん、砂糖が同量なのも彼女らしい。しかし何故かいつもの味にはならない。何が足りないのか尋ねても空の上の彼女は微笑むだけ。「あたしこの肉じゃが好き」俺の隣で忘れ形見が笑う。「ママがいたら絶対美味しいって言うよ」

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No.78 ツイノベデー「リトライ」

「しばらく姿が見えねえと思ったら、随分と立派になりやがって」二又の尾を振り振り、元・タマがにゃあと言った。「化けもんになっても、俺んとこで暮らしたいってのかい?」にゃにゃ。「じゃあ、仕切り直しだ」にゃ?「初めまして、猫又のタマ。また、末永くよろしくな」にゃん!

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No.77 ツイノベデー「猫」

愛猫の尻尾がいつの間にか二又になっていた。これが猫又というものか。ウチのやつも随分立派になったもんだと感慨深く、普段よりサービスして撫でてやる。ごろごろと鳴る喉はいつも通り。ゆるゆると機嫌良く振られた尻尾はいつもの二倍嬉しそう。物の怪になってもこいつはウチの猫。

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