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#twnovel@SIREN

良崎(@kanfrog)のツイッター小説などまとめブログです。

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No.106

「最期の言葉は決めてるんだ」気が早いのね、と彼女は笑う。俺が彼女と初めて会ったのは雪の山。口外したら殺す、と言った雪女は数年後、過去を語らずに俺の妻となった。殺されて彼女との時間が減るのは勿体ないので、今際の際に言ってやる。『冬山で会ったときから好きだった』と。

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No.105

幼い日。落ち込んでいた彼を励まそうと、調理実習の残りのクッキーを二人で分け合った。彼は泣き濡れた瞳で笑っていた。そして今日、今度は彼が私に手作りのお菓子を差し出した。「あの時のクッキーが嬉しくて、職人になったんだ」パティシエの甘い言葉に、初恋の味がよみがえる。

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No.104

大雪で交通機関は麻痺。出勤できず待機していると、肩身が狭そうにしている雪女に気づく。「君の仕業か」「だって」「何だよ」「……だって最近、帰りが遅いから」外はいっそうの猛吹雪。「わかった、わかった。今日は休み取るから」人々の平穏な日常のために、まずは家庭円満から。

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No.103

「仕事始めか」「何です、それ」宇宙人の嫁が尋ねるので、少々意地悪に教えてやる。「休みを楽しんでいた人々を地獄の底に叩き落とす恐ろしい敵さ」「人類に勝ち目は」「厳しい闘いだ」「では母星から援軍を呼びましょう」街はUFO襲来で機能停止。仕事始めどころではなくなった。

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No.102

「おいで」彼が笑顔で私を誘う。彼が人外の者だとは知っていたが、いったい何の変化なのかはあえて聞かなかった。そんなことは与えられる温もりには関係なかったから。私はいつものように彼の胸に飛び込む。「……あったかいわ」「なにせウール100%だからメェ」「羊だったのね」

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N0.101

「初夢どうだった?」私が尋ねると、彼は頭を掻き掻き言った。「爆睡して夢も見ずに寝ちゃって」「昔から、『一富士、二鷹、三なすび、四わたし』って言うよ」おどける私。彼は大きく欠伸を一つ。「じゃ、君が出てくることを願って二度寝しよう」「寝正月したいだけじゃないの?」

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No.100

「こんなとこで油売ってていいわけ?」「油揚げなら買うがねェ」「お稲荷はかきいれ時でしょ。さっさと働きに行きな」「炬燵がいいんだけどなァ」飄々と答え、渋々立ち上がった背にはふさふさの尾。「じゃあ人間たちのどす黒い欲望を聞き届けてくらァ」「嫌な言い方しないの」

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No.99

正月特番にも飽きたので、居候の付喪神に話しかけてみる。「琴古主、歌ってよ」「『春の海』などは」「どんな曲?」「正月らしい、箏と尺八の楽曲で御座います」「もっと盛り上がる歌ないの」「では『紅蓮の弓矢』などは如何ですか」「歌えるんだ」「ひととおりは修めておりまする」

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No.98

「人間はお正月は何をするのですか」クラスメイトの人型機械が訊く。「父さんの実家かな」「普通は、家族といるのですね」いつもの無機質な声だが、冬空のような銀の瞳がふと曇る。彼女が帰るのは冷たい研究室だ。「一緒に初詣行こ。俺こっち残るよ」しかし、と言いつつ晴れ渡る空。

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No.97

サンタに起こされて目が覚めた。「さっさと指示をくれ」「何がです?」「ベタか? トーンか?」思い出した。プレゼントに『完成原稿』をお願いしたのだ。作業が終わり、僕はサンタに礼を言う。「おかげさまで間に合いました」「そうかそうか」「あの、良かったら来年も」「嫌じゃ」

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